THE GREATS |
スコットランド国立美術館は、上質で幅広い、世界でも指折りの西洋絵画コレクションを有する美の殿堂です。
1859 年の開館以来、購入や地元名士たちの寄贈や寄託などによってコレクションの拡充を続け、世界最高峰の美術館の一つとなりました。 スコットランド国立美術館は、エディンバラにある 3 つの国立美術館 (スコティッシュ・ナショナル・ギャラリー、スコティッシュ・ナショナル・ポートレート・ギャラリー、スコティッシュ・ナショナル・ギャラリー・オブ・モダン・アート) から構成され、その質の高いコレクションは、広範な時代・分野を網羅しています。 |
美術史に輝く、巨匠たちの競演 |
本展は、そのようなスコットランドが誇る至宝の中から、ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、スーラ、ルノワールなど、ルネサンス期から、 19 世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を展示します。 さらに、同館を特徴づけるゲインズバラ、レノルズ、ターナー、ミレイといったイングランド出身の画家に加え、日本ではなかなか見ることができないレイバーン、ラムジー、グラントなどスコットランド出身の代表的な画家たちの名品も多数出品。 油彩・水彩・素描約 90 点を通じ、西洋美術の流れとともに、ヨーロッパ大陸との文化交流から、英国美術がはぐくまれた様子を紹介します。 |
日時指定予約制 |
'2022 4_21 「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」 プレス内覧会展示風景・ギャラリートーク、プレスリリース、「THE GREATS 美の巨匠たち」図録の抜粋文でご紹介しています。 |
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・画像をクリックすると 「髙城靖之学芸員」 の展覧会概要説明がご覧いただけます。 |
「スコットランド国立美術館 |
「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」 展覧会の展示構成 |
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スコットランド国立美術館の偉大なコレクションにより、西洋絵画の歴史を 4 つの時代にわけて、ルネサンス期から印象派まで 400 年以上におよぶ西洋絵画史を彩る巨匠たちの貴重な作品によって西洋美術史をひもといてゆくという、展示構成になっている。 |
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プロローグ. (スコットランド国立美術館の歴史)。 |
'2022 4_21 「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」 プレス内覧会展示風景・ギャラリートーク、プレスリリース、「THE GREATS 美の巨匠たち」図録の抜粋文でご紹介しています。 |
各画像をクリックすると 「プロローグ→第1章ルネサンス、第2章バロック→第3章グランド・ツアーの時代、第4章19世紀の開拓者たち→エピローグ」 がご覧いただけます。 |
【プロローグ スコットランド国立美術館の歴史】 |
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プロローグでは、「THE GREATS」 というタイトルのもととなった、スコットランド国立美術館の主要コレクションの歴史を紹介する。 |
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右・No.1 ジョゼフ・ファリントン [ランカシャー、 1747-ランカシャー、1821] 《グラスマーケットから見たエディンバラ城》 1788 年 ペン、淡彩・紙 39.3 x 52.5 cm スコットランド国立美術館 / 左・No.03 アーサー・エルウェル・モファット [活動期 1880-1902] 《スコットランド国立美術館の内部》 1885 年 水彩、白の不透明水彩・紙 88.5 x 64.4 cm スコットランド国立美術館 / |
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・No.01 《グラスマーケットから見たエディンバラ城 》 ファリントン は、優れた風景記録画家であると同時に、1793 年から 1821 年までの間、美術界のゴシップや当時の政治状況を丹念に記録した人物としても知られている。 この絵は、ファリントン が初めてスコットランドを訪れ、数週間かけてエディンバラとその周辺をスケッチした時のものである。 / ・No.03 《スコットランド国立美術館の内部》 この水彩画はスコットランド国立美術館 (現在のスコティッシュ・ナショナル・ギャラリー) の内部を描いたもので、1885 年の展示の様子を示している。 モファット は、1885 年から 1902 年にかけて、エディンバラ、グラスゴー、ダブリン、ロンドンで定期的に展覧会を開き、油彩画と水彩画を展示した。 |
【第 2 章. バロック ( 17 世紀)-ベラスケス、ヤン・ステーン、レンブラント、ルーベンス、ヴァン・ダイクなど】 |
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「17 世紀のヨーロッパ」 では、革新的な画家たちが従来の世界観を覆そうとした。 |
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左・No.19 ディエゴ・ベラスケス [セビーリャ、1599 -マドリード、1660 ] 《卵を料理する老婆》 1618 年 油彩・カンヴァス 100.5 x 119.5 cm スコットランド国立美術館 / 中・No.26 レンブラント・ファン・レイン [レイデン、1606 -アムステルダム、1669 ] 《ベッドの中の女性》 1647 年 油彩・カンヴァス(上部はアーチ形) 81.1 x 67.8 cm スコットランド国立美術館 / 右・No.29 ペーテル・パウル・ルーベンス [ジーゲン、1577 -アントワープ、1640 ] 《頭部習作(聖アンブロジウス)》 1618 年頃 油彩・板 49.6 x 38.1 cm スコットランド国立美術館 |
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・No.19 《卵を料理する老婆》 1618 年、ベラスケスがまだ 18 歳か 19 歳の時に描かれた本作は、自然主義絵画の傑作で、同時代の他のセビーリャの画家たちをはるかに凌駕する洗練された技量を示している。ベラスケスは若くして成功を収めた後、1623 年にマドリードの王宮に移った。 若き国王フェリペ 4 世の画家に任命され、35 年間にわたって描いたフェリペ 4 世の家族の一連の肖像画はどれも類まれな傑作である。 / ・中 No.26 《ベッドの中の女性》 この絵は 「レンブラントの人生にかかわった 3 人の女性たち、妻サスキア、息子の乳母ヘールチェ・ディルクス、使用人ヘンドリッキエ・ストッフェルスの全員がモデルの候補に挙げられたという、一風変わった栄誉を与えられている」(J・ロイド・ウィリアムズ)。 レンブラントは、17 世紀オランダの最も偉大な芸術家であり、史上最も有名な芸術家の一人として広く認められている 。 / 右・No.29 ペーテル・パウル・ルーベンス の 《皇帝テオドシウスのミラノ大聖堂進入を拒む聖アンブロジウス》 (ウィーン、美術史美術館蔵) に描かれたこの聖人の頭部のための習作で、おそらく実在のモデルに基づいて描かれている。 |
【第 4 章. 19世紀の開拓者たち (19 世紀)-グラント、ブレイク、コンスタブル、ターナー、ミレイ、コロー、モネ、ルノワール、ドガ、ゴーガンなど】 |
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英国やフランスでは、肖像や風景、家庭の一場面のような馴染みのある題材が引き続き探求されていたが、革新的な画家やそのグループが、芸術の実践とその影響力に大きな変化をもたらした。 |
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左・No.56 フランシス・グラント [パース、1803-メルトン・モーブレイ、1878 ] 《アン・エミリー・ソフィア・グラント(“デイジー”・グラント)、ウィリアム・マーカム夫人(1836-1880)》 1857 年 油彩・カンヴァス 223.5 x 132.3 cm スコットランド国立美術館 / 中 No.59 デイヴィッド・ウィルキー [カルツ、1785-マルタ、1841 ] 《結婚式の日に身支度をする花嫁》 1838 年 油彩・カンヴァス 100.0 x 125.0 cm スコットランド国立美術館 / 右・No.70 エドウィン・ランドシーア [ロンドン、1802-ロンドン、1873 ] 《荒野の地代集金日》 1855-68 年 油彩・カンヴァス 122.0 x 265.0 cm スコットランド国立美術館 |
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左・No.56 フランシス・グラント の主要な後援者の一人であるヴィクトリア女王は、「紳士であった彼は、財産をすべて使い果たし、今はお金のために絵を描いている」 と厳しい言葉を残している。 1857 年、グラントの愛すべき次女 「デイジー」 は、ウィリアム・マーカム大佐と結婚し、本作は結婚直前に完成した。 グラントは、英国肖像画の歴史的グランド・マナーを、独自の現代的スタイルで再構築した。 / 中・No.59 デイヴィッド・ウィルキー 19 世紀前半のスコットランド出身の画家の中でも、国際的な名声を得たユニークな存在。 1805 年にロンドンに移住し日常生活を繊細に描いた作品で評価され、26 歳でロイヤル・アカデミー会員に選出。 / 右・No.70 エドウィン・ランドシーア の歴史画は、『スコットランド年鑑』 に掲載のドナルド・マーチソン大佐の英雄的な活躍を描いた図版に基づいている。 ランドシーアは、1868 年のロイヤル・アカデミー 100 周年記念展に本作を出品した。 |
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スコットランド国立美術館 (「THE GREATS 美の巨匠たち」図録よりの抜粋文) |
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19 世紀に設立されて以来、次第に規模と評価を拡大し、評価を高めていった当館の絵画と素描のコレクションは、今や世界中で称賛され、スコットランドの首都エディンバラにはコレクションを楽しみ、作品を研究するために訪れる人が後を絶たない。
コレクションは、ルネサンスの傑作から現代美術まで多岐にわたるが、 本展は、主に当館とゆかりの深い 15 世紀から 19 世紀の作品に焦点を当てたもので、そこにはより広いヨーロッパの伝統に、独特で決定的な貢献を果たしたスコットランド芸術の卓越した作品も含まれているのである。 |
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1859 年に一般に門戸を開いたスコティッシュ・ナショナル・ギャラリーは、他のヨーロッパ諸国の国家コレクションの事例のように、もともとその国に古くからある王室コレクションの一部を形成していたわけではなく、スコットランドの人々や海外から訪れる人々すべてに、新しく感動と誇りをもたらす拠り所として、新たに構築されたのであった。 |
お問合せ:tel 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション |
参考資料:スコットランド国立美術館「美の巨匠たち」 プレス説明会、PRESS RELEASE & 報道資料 、他。 |
ご意見ご感想は yashio@mui.biglobe.ne.jp |
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